犬のしつけで体罰が効かなかった例

子どもに飛びかかってなめ回す癖のある犬がいました。犬はこの行為を楽しんでおり、行為自体も強化子として作用していました。このような行為は犬の狩猟エネルギーを発散させ、「獲物」から素敵な悲鳴を引き出すことができるからです。

子どもの母親は最初きっぱりとした口調で「ダメ」と言ってこの行為をやめさせようとしました。しかし犬はすぐにこの口調に慣れてしまい、何の解決にもならなかったのです。母親のこの対応は、「もっとやれ!」と言って犬をけしかけるのと変わりなかったのです。

ある日この犬は、初めて父親の見ている前で子どもに飛びつき、顔をなめ回しました。これを見た父親はとっさに犬の首根っこをつかまえて床から持ち上げ、真正面から大声で「ダメ!」と叫んで犬のアゴにアッパーカットをお見舞いしたのです。

犬は慌てて逃げて行き、この経験が意味するところをじっくりと考えました。さて犬はその後何日かはおとなしくしていたが、やがてこの行動は不死鳥のごとく灰からよみがえったのでした・・